ナイハンチ運動法3 ー体幹の固定ー

 左腕を左斜め下に伸ばした後、左拳を左腰に引き付けながら、右腕を肘を曲げて水平にして、左拳を左胸の前で左横を突くようにする。これをカギ突きと呼びます。この際に、左腕を引きながら、右腕で左側を突きながら、体幹部を回さず動かさないことが大切です。体幹部の固定の練習です。

 次に、体重を左足に乗せて、右足を左足の前を通って左足の左横にくっ付けて床に置きます。その際に、腰の高さを上下させずに、水平に身体をスライドさせます。腰を落としたままでの横への水平移動は、足腰が鍛えられていないと不安定になりますが、足腰の鍛錬になります。

 その後、体重を右足の乗せて、左足を左横肩幅より少し広く開いて床に置き、両足先を真っ直ぐ前に向けて両足に体重を乗せて腰を落としてナイハンチ立ちになります。右腕の形はカギ突きのまま、体幹も動かしません。

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 ここから、首を右に回して、顔を正面に向けて、それと同時に、カギ突きしていた右腕を一旦軽く身体に引き付けてから、右拳を拳を返して右掌が上向きで自分に向きにして右斜め前方肩の高さに突き出します。脇は閉めて、右肘は直角程度に曲げたままです。すぐはむずかしのですが、ここで右肩下部周辺の筋肉を固めるようにします。これを琉球の古い唐手ではチンクチをかけると言うようです。一般に空手では突きなどの動作を極める時に、拳を固めるように指導されますが、ナイハンチ運動法では拳を固めず、体幹部肩のあたりを固めるようにします。拳を固めないのは、格闘技としての打撃力を求めず、体幹部の安定を求めるには、この方が良いと思うからです。

 私は、首里手の空手を学ぶ前に、泊手の空手の道場に通っていた時がありましたが、そこの先生に、三戦の型の練習の時に、前に出す腕側の側胸部の筋肉を固めるように言われました。現在、ボクシングなどでパンチの威力に必要な筋肉である前鋸筋のことのようです。ちなみに、首里手の先生から、セーサンという型を少し教えてもらった時に、側胸部の筋肉を固めるようにと言って、私の側胸部を触った時に、筋肉が固まっていたので、びっくりして黙ったことがありました。

 次に、両腕を体の前面に引き付けて、体の前面で、両腕をX型に交差させます。この時、両掌は自分の体に向けて、右腕が内側で左腕が外側になります。

 ここから、左腕を一旦軽く引いてから、左斜め前肩の高さに差し出しますが、脇は閉めて、肘は直角程度で、左掌は上向きでやや自分向きです。右腕は右下方斜め前に伸ばします。右掌は自分向きです。この時も、むずかしいですが、両脇を締めるように体幹を固めるようにしますが、難しければ、力まないままでいいです。

 次に、左腕を少し上に持ち上げて、左肘の下に、右手の甲を添えるようにして、ゆっくり左腕を降ろし、左手の甲で下方を叩くようにします。

 一般の空手では、この時、左掌が上向きのままで、左拳で前方を突くようにしますが、私の先生からは、上から叩くようにすると教えられました。これは、鎖骨を折る動作ではないかと推測しますが、ナイハンチ運動法では、打撃を目的としていませんので、ゆっくりした動作で、体幹を締めること以外、腕に力は入れないようにし、体幹の操作を練習します。

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